2024.12.02

令和6年度 手づくり絵本コンクール審査結果発表

応募総数105点の中から、次の方々の入賞が決定しました!

絵本作家のはやしますみ先生の一言も添えて発表いたします!

 

【最優秀賞】(図書カード3万円)

 

首藤 咲希 さん(渋谷教育学園渋谷高等学校1年生)

『ざっちゃん ザ・ざっそう』

 自分に自信がないざっちゃんの自己肯定の物語。

 はじめて足を踏み入れた花屋のシーンは、ざっちゃんの心情がよく描けていて、とても惹きこまれました。ファンタジーとリアリティの描き方の塩梅もほどよく、安心して読み進められました。テキストの無いページの使い方、非常にうまいですね! (はやしますみ先生)

 

 

 

 

【優秀賞】(図書カード1万円)

 

福本 展大さん(広島県立呉宮原高等学校1年生)

『トリくんのうた』

  なんとも言えないヘタウマの魅力的な絵に圧倒されました。

 大胆な構図も勢いがあり素晴らしいです。雑な線に見えるけど、ページごとに構図と配色が練られていて、安定感があり感心しました。シンプルだけど見せ場のある楽しいストーリーと、おおらかな絵とがぴったりと合った作品でした。 (はやしますみ先生)

 

 

齊藤 初姫さん(滋賀県立栗東高等学校3年生)  

『まっくろスス』

  モノクロのきっぱりした構図と絵の魅力がすばらしく場面展開もうまい。端的な言葉も怪しさを醸して、ページをめくるごとに「まっくろスス」とは何者なんだろうかとわくわくしました。年長向けの作品とするなら、まっくろススの正体がずっと心に引っかかったまま成長し、経験を経てある日その正体に気づくような、明確な暗喩があっても良いのかなと思いました。 (はやしますみ先生)

 

 

 

 

【佳作】(図書カード5千円)

 

松長 好さん(滋賀県立大津高等学校3年生)  

『なんになる?』

  「見方を変えるとおもしろい」というメッセージが込められた仕掛け絵本です。

 左ページの役割を明確に限定することで、右ページで安心して探したり当てっこ遊びできますね。よく整理して考えた構成になっていると思います。

ひよこさんのおくち、愛らしくてユーモラスですね(笑) (はやしますみ先生)

                      

 

鈴木 彩芽さん(神奈川県立白山高等学校3年生)

『クリームクリーム いかがです?』

  たっぷりのクリームの絞り袋から始まり、使い切った絞り袋できちんと終われている、よく考えられた作品でした。絵もていねいでおいしそう。食べたくなります。

 ページの進みと共に、だんだん派手になり、期待が膨らむ方が楽しいので、お菓子の並びとチョイスにもう少し工夫が欲しかったです。 (はやしますみ先生)

  

 

入賞されたみなさま、おめでとうございます。

また、応募いただいた高校生のみなさま、素敵な作品をお届けいただき、ありがとうございました。

今年度も、滋賀県内だけでなく、長野、東京、愛知、広島、大分など、全国からの応募をいただきました。

審査員を務めてくださった絵本作家のはやしますみ先生から、以下の通り総評をいただいております。

 

今年は特にストーリーに力を入れた作品が目立ち、構図や場面展開もうまく、選考に苦労しました。

絵本には、親しい人の声で読んでもらう楽しみと、めくる楽しみがあります。

応募作品には、それらを意識できているような言葉の響きやリズム、場面の見せ方が光る作品がいくつもありました。

応募されたみなさんの将来が頼もしく楽しみな選考となりました。

惜しくも選にもれた作品も、よく考えられていました。もう少しお話の始まり方と終わり方、テーマやレイヤーに一貫性があれば……という作品もありました。

応募されたみなさんが、これからも絵本や絵、お話づくりに親しまれることを願っています。

 

来年度も、高校生のみなさまから多くの作品が届くことを心よりお待ちしております。

ふるってご応募ください。

 

なお、入賞作品は、作者の許可を得て、12/3(火)から12/10(火)まで本学図書館(※1)にて展示いたします。入賞作品を是非手におとりいただき、それぞれの世界観を感じていただければと願っております。

 

※1 平日開館時間:8:30~17:00、土曜日開館時間:9:30~13:30

    12/8(日)は休館

        

                                             発信:図書館