手づくり絵本コンクール審査委員の講評について

2022年度 高校生手づくり絵本コンクール入賞作品への講評

 

今年度も力作が多く、絵本に向き合う学生さんがこんなにおられることに頼もしさを感じました。

最優秀賞の『おはよう』はプリミティブな力強さを持ち、中盤までの抑えた表現とラストの突き抜けた心地よさのコントラストが素晴らしい作品です。

優秀賞『今、私の国では』は現代の課題に高校生らしく正面から向き合いつつ、小学生にも理解できるようよく考えられています。『のぞいてみよう！』はこどもたちが大好きな「ドーナツの穴」を素直に楽しめる作品で、日常の穏やかさを感じます。

佳作の『いろんなかたちみ～つけた！』はシンプルな図形の組み合わせと問いかけが絶妙で、こどもたちが遊びながら楽しく読んでくれそうです。『おべんとうリレー』は、おにぎりやおかずたちがユーモラスで愛らしく、自然と調理の工程に興味が湧きます。

惜しくも選に漏れた力作も多く悩みましたが、絵本本来の「だれかに読んでもらう楽しさ」「ページをめくる楽しさ」を感じる作品を選ぶことにしました。

コンクールに応募してこられた高校生さんたちが、これからも楽しみながら絵本と関わってくださることを願っています。

 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

はやしますみ　　　　

 

発信：図書館